
芸能界で売れ続けるためには?(1)
―EXILEとJ Soul Brothersの合体劇が世の中の栄枯盛衰の法則、芸能界で売れ続けるには徳分が必要だということを教えてくれている―
突然ですが、EXILEというグループ、アーティストを知っていますか?
今の日本のCD業界でもっとも売れているアーティストとして去年のレコード大賞を取り、CDの売り上げもこの不況下でアルバムのミリオンセラーを連発、ライブの観客動員数やメンバーの俳優業への進出でも注目を浴び、アニメ作品なども手がけ、2008年は「EXILE PERFECT YEAR」と銘打った活動をしてほとんど完璧なまでの年を過ごしたグループです。
私から見ても、まさに2008年は彼らの人気が絶頂になって、活動的にも非の打ち所がないと言えるくらいの年でした。
しかし中国の古典には「亢龍悔いあり」と言う言葉があります。
これは、絶頂に上り詰めた後は下がるしかない、と言う言葉です。
藤原道長の「この世をば、我が世とぞ思う望月の、欠けたることもなしと思えば」
や
「平家でなくば人にあらず」
という、一時この世で人気の絶頂を極めたと思っても必ず衰退して、後から見れば月も欠けるときが来て、平家も源氏に壇ノ浦で滅ぼされた、という歴史の通り形あるものは皆いずれ滅びる、というように栄枯盛衰は世の習いなのです。
その意味で言いますと「PERFECT YEAR」を過ごしたEXILEはどうするのだろう、と今年になってから見ていましたら、なんとEXILEのリーダー、今までの活躍の影の立役者HIROが2年前から育てていて、今はまだ無名に近い「J Soul Brothers」というグループと合体する、と言うニュースがこの前飛び込んできたのでびっくりしました。
J Soul Brothersは今までインディーズでやってきて、この前出したそれまでの集大成のアルバムがオリコンデイリーチャートで1位になったりしたくらい非常に若さと勢いのある、今はまだあまり知られてはいませんが、荒削りですが将来性のあるグループとして今後も楽しみにしていたのですが、今回EXILEは彼らを「吸収合併」したわけです。
周りから見ればこれは不可解というか、「なぜ?」と思ったのではないでしょうか?
しかし世の中の法則、運気的な背景から見てみるとEXILEの人気を保たせようとした策に他ならないのです。
2008年の大活躍でかなり徳分を消耗したメンバーに、新たにまだ売れていない、エネルギーに満ちているメンバーを加えて彼らの運気的エネルギーを「EXILE」に取り込んでいこうというHIROの策なわけで、このあたりの先を見据えた作戦はかなりのものです。
ただしそれには弊害もあります。
あまりにもメンバーが増えすぎてしまったので、いわゆるメンバーのカリスマ性がインフレーションを起こしてしまう、と言う点です。