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袁了凡 陰隲録

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この本の著者の安岡正篤氏は、あの稲盛和夫氏をして「今の私があるのは安岡正篤先生と中村天風先生の二人のおかげ」と言っているくらいものすごい博識な、日本の政財界のリーダーたちに大きな影響を与えてきた日本の思想家であり、陽明学者の方です。(色がついているお二人の名前をクリックすると、それぞれ説明のページに飛びます。↑)

wikipediaより

戦後の歴代総理に「日本の黒幕はだれか?」と聞けばほとんどの首相が安岡正篤の名前を挙げたといういう。安岡本人は「自分はただの教育者にすぎない」と考えていたため「黒幕」と言われるのを嫌がった。しかし自分自身が直接権力を持たない反面、権力者に対して絶大な発言力を持っていた。名のある大物ほど安岡の教えに心酔し、意見や講演を求め、本人の意思に反して各界に影響力を拡大していったためである。

<「陰隲録」のあらすじ>

 貧しかった袁了凡は生計を立てるべく医師になる勉強をしていたが、ある日、老翁が訪ねて来て「君は科挙の学に進む運命だ。どうして勉強しないのか」と言う。そして、袁は老翁の修めた「皇極経世」の理法で身の回りを占ってもらうと全てその通りだったので強く感じ入り、中央の高級官僚を目指すべく一念発起した。すると、占示の通り、最初の県・府・道の各試験に言われた番位で合格してしまう。

 それならと、再び老翁にその後の生涯を占ってもらうと、本試験には禄米が幾らの時に何番で合格し、いつどういう出世をし、53歳で天寿を全うし、子供には恵まれないことが示された。そしてことごとくその通りに物事が進んで行った。そこで袁は自分の人生はもう定まっていると諦観し、宿命論に陥って行ってしまう。

 長じて袁は南京に雲谷禅師を訪ねた。三昼夜 心を動かさず静座する袁に禅師は驚き「あなたに妄念を一つも見ないのは如何なるわけか」と尋ねた。袁はしかじかの経緯から宿命を信ずるようになったので妄想を起こすことがないと告白。すると、雲谷禅師はガラリと軽蔑の態に。袁がその理由を問うと、「お前さんは20年この方、他人から占定されて少しも変化しなかったというのは凡人の証拠だ」と。袁は「本当の運命とは我より立つる立命でなければならぬ」という道理を懇々と教えられる。袁は大悟して生まれ変わった。

 袁の立命とは、善悪の基準をまとめた功過格に従って、良事を行えば+1、悪事を行えば-1のように記録し、差し引きで三千の陰徳を積むことで子供を授かるべく、さらに一万で科挙の本試験に合格すべく志を立て、天に願い、ひたすら努めて実行するというもの。

 ともかくそれ以後は老翁に占定されたことが良い方に外れていき、本試験には占示より上のトップで合格し、授からないと言われた子供が生まれ、寿命も21年も伸びたという風に変わっていったのだった。

 この本を分かりやすく説明した、「立命の書「陰隲録」を読む 」という本の著者の安岡 正篤氏は著作でも講演でもとにかく立命を説いた。もう“立命居士”と言われるくらい。そこでよく引用されたのがこの話だった。

<余談>
ちなみに細木数子氏はこの政財界からも信奉の厚かった安岡氏から学んだ占いのエッセンスに手を加えたりして六星占術として売り出し、安岡氏から学んだ易学ということでハクをつけて売り出すことにも成功し、彼女の人生が急にマスコミに脚光を浴びることになって現在のようになった、という人もいます。

<ここでのまとめとしての笹木の私見>

これらのエピソードから見えてきたこと、それは運勢を精密に観ることのできる本物の占い、その一つが四柱推命ですが、確かにこういった占いで鑑定してみると人の人生はそのように生まれてきた時点で「ある程度は」決まっていると感じることがあります。しかし笹木個人の考え方としては、「運命は100%決まっているわけではない」と感じています。

むしろ精密に物事を見ることのできる占いを知っただけで満足したり、人を高みから冷たい目で見下すような気持ちになったり、現状を改善する行動を起こすことをあきらめてしまうのであれば、まるで雲谷禅師を訪ねる前の袁了凡のようなものです。そんなことであればかえって知らなかった方が良かったとさえ言え、生きている意義を放棄することにもつながりかねない、知識はあっても人としての智恵がない生き方と言えるかもしれません。

そしてその時その時の自分の考え方や、それらが結実した結果である「行動」がどの方面にどれくらい継続して積み重なったか。いわば因果応報で言うところの、いま作った原「因」が次の結「果」となるわけで、現在は過去の延長線上にありその影響は定まったものである分 一気には変えられませんが、新たな未来の結果は現時点の原因を作る行動が握っているのです。

さらに限りなく限定して言ってしまえば、どの方位を今の自分が選択して旅行や引っ越し先を選んでいくのかで未来は変わってくるということです。

これを魂の気、心の気、現象面の気のそれぞれの次元で、つまり十干・十二支・九星で良い吉方位を見極めて進む道を決定していくことで、未来もそれに応じた良い結果を呼び込めるのではないかと考えた上でこの「十干十二支氣学」を世の中に広く大きくお伝えして参ります。